2017/08/16 01時03分 (オナジマイマイ科)


オオシマケマイマイ Aegista (Plectoropis) kiusiuensis oshimana  奄美大島

↑奄美大島に分布。殻の周縁に短い毛があります。日中も植物上で活動する半(?)樹上性。


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タラマケマイマイ Aegista (Plectoropis) osbeckii  石垣島

↑石垣島、西表島、与那国島、宮古島、多良間島に広く分布するケマイマイ。周縁は毛が無くつるっとしていて、碁石のような形をしています。樹上性。


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シュリケマイマイ Aegista (Plectoropis) elegantissuma  沖縄本島北部

↑沖縄本島と瀬底島に分布。石灰岩地帯に限って生息し、地表というか露出した岩石の側面にぶら下がっています。石灰岩地でもアフリカマイマイなどの外来種が蔓延する場所では見られない(死貝さえ見当たらない)のが少々気になるところ。本島にはこのほか、シュリケマイマイを少し大きくしたクンチャンケマイマイ A. elegantissima cara 、ヘリトリケマイマイ A. marginata がいるそうなんですが、全然みつけられませんでした。ちなみに、殻の模様は軟体部が透けて見えてるだけです。


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イトマンケマイマイ Aegista (Plectoropis) scepasma  沖縄本島

↑地表性。分布は沖縄本島、久米島など。本島でもいる場所は限られていて、数も少ない種類です(沖縄県RDBおよび環境省RDBでは絶滅危惧Ⅱ類)。他と同属扱いになっているけれど、とてもそうは思えない異質な存在。ナンバンマイマイ科のビロウドマイマイ類(Nipponochloritis 属、Moellendorffia 属)やオナジマイマイ科の Paraegista 属のように、殻全体に細かい毛のような鱗片をもっています。異なる系統で並行的に生じているこの毛の意義については色々と妄想しているのですが、空白地が多かったり共通点が見えなかったりなんだりで、まあ、よくわからないです。


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オオウケマイマイ Aegista (Plectoropis) pannosa pannosa

↑ついでに。一般によく知られるケマイマイで、これは本州の東北地方に広くいるもの。西日本や四国だとオオケマイマイ A. vulgivaga が分布する。石灰岩上にもいるけど、植物に登っていることが多い半樹上性?


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2017/08/01 17時36分 (オナジマイマイ科)

イッシキマイマイ Satsuma caliginosa caliginosa  石垣島

↑貝食性で有名なイワサキセダカヘビ Pareas iwasakii との共進化で一躍有名になった八重山特産のカタツムリで、石垣島と西表島の森林地帯に生息します。背後からしっぽ(しっぽと言っていいのかわからないが)に噛みついてくる捕食者のイワサキセダカヘビに対して、噛まれたしっぽを自切することで捕食を逃れているそうです。この自切は再生コストが大きいために成貝では行わず、代わりに殻口に突起状の修飾をつくることによってヘビの捕食に対抗しているとのこと。さらにセダカヘビが生息していない地域のイッシキマイマイ近縁種でこの自切行動や殻口の修飾は確認されないことから、これらはセダカヘビの捕食に対して発達した対抗形質だろうと考えられています(Hoso & Hori 2008, Hoso 2012)

 生息地では割と普通にいる種であるような印象を受けていたのですが、実際に現地で探しまわった印象として、本種の個体数は(他種と比べても)少なく、生きた個体はそう簡単にお目にかかれません。先述の生態を知っていることで少し先入観はあるかもしれませんが、実際に野外で見た生体は一目でそれとわかる異様な存在感を放っていて、最高にかっこいいカタツムリです。近縁なものは宮古や沖縄、奄美などにもいますが、どれもこれほどのオーラは持っていません(私見)。

それと、カタツムリハンドブックでは地表性ということになってますけど、これ少なくとも半樹上性だと思うんです。殻形態からしても樹上種的だし。


【文献】
Hoso, M. & Hori, M. (2008) Divergent shell-shape as an anti-predator adaptation in tropical land snails. The American Naturalist, 172(5), 726–732.

Hoso, M. (2012) Cost of autotomy drives ontogenetic switching of anti-predator mechanisms under developmental constraints in a land snail. Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences, 279(1748), 4811–4816.
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2017/07/29 06時22分 (ゾウムシ科)

クロカタゾウムシ Pachyrhynchus infernalis  西表島 6月

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↑甲虫の中でも屈指の、非常に堅い外骨格をもつ。大体の人の興味は海外産クロカタゾウムシの島嶼ごとの色彩パターン分布とかにあるようで、世界中にこの仲間ばかり集めている酔狂なコレクターがいるようです。
ところで、鳥に食べられても生きて出てくると聞くけど、本当でしょうかね?

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2017/07/28 17時56分 (ナンバンマイマイ科)
不備があったので少し修正。


オキナワヤマタカマイマイ Satsuma (Luchuhadra) eucosmia eucosmia 沖縄本島南部

↑成熟個体。頭部にコブ(頭瘤)が見られるので、ちょうど繁殖シーズンだったようです。
オキナワヤマタカの殻の色やパターンには多型がありますが、沖縄本島中部~南部はこの乳白色型が多いようです。近年、オキナワヤマタカとされていたものの中からシラユキヤマタカマイマイ Satsuma (Luchuhadra) largillierti が記載され、2種に分割されました(Kameda & Kato 2008)。これらの見た目はそっくりで、色彩のバリエーションが多く判別が困難なため、素人の私には写真の個体もオキナワなのかシラユキなのか正直判断がつきません(オキナワ、としたものの)。なお両者が同所的に生息する共存集団においては、生殖器官の長さが2種の間で著しく異なっており、遺伝的な隔離が生じていることがわかっています(Kameda et al. 2009)。ちなみに、中琉球の Luchuhadra の系統関係についてはKameda et al. (2007) できわめて詳細な解析がなされています。採集地点数がえげつないですが、ヤマタカってこんなに見つけられるもんなんですかね…?
 
 南部の一部地域には、2者と比べて殻高が顕著に高く綺麗な白色の殻をもつアマノヤマタカマイマイ Satsuma (Luchuhadra) amanoi もいて、こちらは先日紹介したウラキヤマタカマイマイ Satsuma (Luchuhadra) hemihelvus とともに国内希少野生動植物種に指定されています。南部にはあまり森が無いし、沖縄はどこに行ってもアフリカマイマイやアジアベッコウ、ニューギニアヤリガタウズムシのパラダイスなので、在来の陸貝はかなり危機的な状況にあるでしょう。


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↑ヤマタカマイマイ類はツル植物の多い林を好む(竹内・青野 2010)のだそうで、実際そういう林にはヤマタカマイマイが多く見られますし、ツル植物上で見つかることが多かったです。あと帰ってきてから知ったのですが、オキナワヤマタカ は特にクワ科の樹木を好んでいるようです(Takeuchi & Takeda 2016)


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沖縄本島北部

↑赤地に白色帯のある型。こうして写真に撮ってしまうと実際がわからないですが、薄暗い亜熱帯の樹林でこのカラーは驚くほど目立ちません。


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↑黒の色帯をもつ個体。やはりこのタイプが一番きれいで、僕好み。



【文献】
Kameda Y. & Kato M. (2008). Systematic revision of the subgenus Luchuhadra (Pulmonata: Camaenidae: Satsuma) occurring in the central Ryukyu Archipelago. Venus, 66, 127-145.

Kameda Y., Kawakita A., Kato M. (2007). Cryptic genetic divergence and associated morphological differentiation in the arboreal land snail Satsuma (Luchuhadra) largillierti (Camaenidae) endemic to the Ryukyu Archipelago, Japan. Molecular Phylogenetics and Evolution, 45(2), 519-533.

Kameda Y., Kawakita A., Kato M. (2009). Reproductive character displacement in genital morphology in Satsuma land snails. The American Naturalist, 173(5), 689-697.

竹内将俊 ・ 青野倫行 (2010). 公園内の二次林における沖縄産絶滅危惧陸生貝類アマノヤマタカマイマイとオキナワヤマタカマイマイ (有肺目: ナンバンマイマイ科) の生息環境. Molluscan diversity, 2(2), 42-48.

Takeuchi M. & Takeda Y. (2016). Dependence of the endangered arboreal snail Satsuma (Luchuhadra) eucosmia eucosmia (Camaenidae) on Ficus (Moraceae) trees as its main habitat. Molluscan Research, Volume 36, 231-238.


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2017/07/02 21時53分 (ナンバンマイマイ科)

ウラキヤマタカマイマイ Satsuma (Luchuhadra) hemihelvus  宮古島
 
↑宮古諸島に固有のヤマタカマイマイ。殻底が黄色いのでウラキ。沖縄や奄美にはヤマタカマイマイ類が多く島ごとに種分化していますが、先島諸島では宮古のみに生息しており、石垣や西表にはいません。そのため、オキナワヤマタカマイマイが古くに人為的移入されたものという見方もあったみたいですが、今は固有種として認められているようです。
 宮古島はおそろしいほどに森が無い不毛の島。内陸部に僅かな亜熱帯林が残っていますが、ウラキはその中でもごく一部にしか生息していません。今年になって国内希少野生動植物種に指定されましたが(なので採集等厳禁)、あの島に本来の亜熱帯樹林を殖やさないことにはどうにもならんので、遅かれ早かれいなくなってしまうのだろうなあ。


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↑樹上性のニッポンマイマイ属らしく、軟体部が良く伸びる。


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↑無帯の幼貝も。意外にも林縁の草地で幼貝が見つかるが、成長後は湿度の保たれる亜熱帯樹林が生育や繁殖に不可欠であるので、草地環境でもやっていけるというわけではない。



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