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2017/07/28 17時56分 (ナンバンマイマイ科)
不備があったので少し修正。


オキナワヤマタカマイマイ Satsuma (Luchuhadra) eucosmia eucosmia 沖縄本島南部

↑成熟個体。頭部にコブ(頭瘤)が見られるので、ちょうど繁殖シーズンだったようです。
オキナワヤマタカの殻の色やパターンには多型がありますが、沖縄本島中部~南部はこの乳白色型が多いようです。近年、オキナワヤマタカとされていたものの中からシラユキヤマタカマイマイ Satsuma (Luchuhadra) largillierti が記載され、2種に分割されました(Kameda & Kato 2008)。これらの見た目はそっくりで、色彩のバリエーションが多く判別が困難なため、素人の私には写真の個体もオキナワなのかシラユキなのか正直判断がつきません(オキナワ、としたものの)。なお両者が同所的に生息する共存集団においては、生殖器官の長さが2種の間で著しく異なっており、遺伝的な隔離が生じていることがわかっています(Kameda et al. 2009)。ちなみに、中琉球の Luchuhadra の系統関係についてはKameda et al. (2007) できわめて詳細な解析がなされています。採集地点数がえげつないですが、ヤマタカってこんなに見つけられるもんなんですかね…?
 
 南部の一部地域には、2者と比べて殻高が顕著に高く綺麗な白色の殻をもつアマノヤマタカマイマイ Satsuma (Luchuhadra) amanoi もいて、こちらは先日紹介したウラキヤマタカマイマイ Satsuma (Luchuhadra) hemihelvus とともに国内希少野生動植物種に指定されています。南部にはあまり森が無いし、沖縄はどこに行ってもアフリカマイマイやアジアベッコウ、ニューギニアヤリガタウズムシのパラダイスなので、在来の陸貝はかなり危機的な状況にあるでしょう。


20170707-DSC_1694_s.jpg

↑ヤマタカマイマイ類はツル植物の多い林を好む(竹内・青野 2010)のだそうで、実際そういう林にはヤマタカマイマイが多く見られますし、ツル植物上で見つかることが多かったです。あと帰ってきてから知ったのですが、オキナワヤマタカ は特にクワ科の樹木を好んでいるようです(Takeuchi & Takeda 2016)


DSC_1607_s.jpg
沖縄本島北部

↑赤地に白色帯のある型。こうして写真に撮ってしまうと実際がわからないですが、薄暗い亜熱帯の樹林でこのカラーは驚くほど目立ちません。


20170719-P7190733_s.jpg

↑黒の色帯をもつ個体。やはりこのタイプが一番きれいで、僕好み。



【文献】
Kameda Y. & Kato M. (2008). Systematic revision of the subgenus Luchuhadra (Pulmonata: Camaenidae: Satsuma) occurring in the central Ryukyu Archipelago. Venus, 66, 127-145.

Kameda Y., Kawakita A., Kato M. (2007). Cryptic genetic divergence and associated morphological differentiation in the arboreal land snail Satsuma (Luchuhadra) largillierti (Camaenidae) endemic to the Ryukyu Archipelago, Japan. Molecular Phylogenetics and Evolution, 45(2), 519-533.

Kameda Y., Kawakita A., Kato M. (2009). Reproductive character displacement in genital morphology in Satsuma land snails. The American Naturalist, 173(5), 689-697.

竹内将俊 ・ 青野倫行 (2010). 公園内の二次林における沖縄産絶滅危惧陸生貝類アマノヤマタカマイマイとオキナワヤマタカマイマイ (有肺目: ナンバンマイマイ科) の生息環境. Molluscan diversity, 2(2), 42-48.

Takeuchi M. & Takeda Y. (2016). Dependence of the endangered arboreal snail Satsuma (Luchuhadra) eucosmia eucosmia (Camaenidae) on Ficus (Moraceae) trees as its main habitat. Molluscan Research, Volume 36, 231-238.


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2017/07/02 21時53分 (ナンバンマイマイ科)

ウラキヤマタカマイマイ Satsuma (Luchuhadra) hemihelvus  宮古島
 
↑宮古諸島に固有のヤマタカマイマイ。殻底が黄色いのでウラキ。沖縄や奄美にはヤマタカマイマイ類が多く島ごとに種分化していますが、先島諸島では宮古のみに生息しており、石垣や西表にはいません。そのため、オキナワヤマタカマイマイが古くに人為的移入されたものという見方もあったみたいですが、今は固有種として認められているようです。
 宮古島はおそろしいほどに森が無い不毛の島。内陸部に僅かな亜熱帯林が残っていますが、ウラキはその中でもごく一部にしか生息していません。今年になって国内希少野生動植物種に指定されましたが(なので採集等厳禁)、あの島に本来の亜熱帯樹林を殖やさないことにはどうにもならんので、遅かれ早かれいなくなってしまうのだろうなあ。


20170612-P6120525_s.jpg

↑樹上性のニッポンマイマイ属らしく、軟体部が良く伸びる。


P6120630_s.jpg

P6120617_s.jpg

↑無帯の幼貝も。意外にも林縁の草地で幼貝が見つかるが、成長後は湿度の保たれる亜熱帯樹林が生育や繁殖に不可欠であるので、草地環境でもやっていけるというわけではない。



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2017/06/21 11時37分 (ヤマタニシ科)

アオミオカタニシ Leptopoma nitidum  西表島

↑クワズイモなどの葉上、ヤエヤマアオキなど諸々の樹上にいることが多い樹上性タニシ。藻類食だとか、特定の植物病菌を食べるだとか(そんならこれほど多様な植物にいないと思うが)、半腐食性だとか諸説あるけれど、つまりは付着藻類やバイオフィルムなどをまとめてそぎ取って食べるスクレーパー(Scraper)なのだろう。とにかくよく目立つ。


20170612-P6120538_s.jpg
宮古島


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2017/06/21 11時19分 (ベッコウマイマイ科)
所用でしばらく沖縄は石垣島、西表島、宮古島に行ってました。


マサキベッコウ Bekkochlamys masakii 石垣島

↑八重山諸島に生息する雑食性のベッコウ。石垣島ではそこそこ見られたが西表島ではほとんど見つけられず、生息環境や性質もちょっと違うような印象だった。


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Helicarionidae sp. 宮古島

↑宮古島のベッコウは過去の記録を見るとトクノシマベッコウ Nipponochlamys subelimatu となっているが、種不明。マサキベッコウよりはオキナワベッコウ Ovachlamys fulgens に近いような気がするけれど。


ベッコウマイマイ科は全体的に整理されておらず、よくわからない。それに属をこんなに分ける必要はあるのか。混乱しかない。



[2017.6.27追記]

 「改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータおきなわ)第3版」の貝類の項(執筆者:上島)によれば、マサキベッコウ Bekkochlamys masakii は西表島と尖閣諸島にのみ生息しており、石垣島は誤りであるらしい。それにマサキベッコウは奄美から久米島に生息するベッコウマイマイと同様に大型種だそうだ。石垣島のベッコウマイマイ科はヤエヤマヒラベッコウ(新称) Bekkochlamys sp. 2 、キヌツヤベッコウ属の一種 Nipponochlamys sp. 6、オーステンキビ Parakaliella austeniana などになるようだ。
 石垣島でこの仲間は8頭ほど見つけられたが、どれも殻径は5mmかそれ以下で、先日産卵もしていたから、これが成貝で良いはず。ヤエヤマヒラベッコウは1cm弱と殻径がやや大きくなり、さらに個体数も少ないようなので、写真の個体はキヌツヤベッコウ属の一種(sp.6)ということになるのだろうか。
それと、宮古島のものがトクノシマベッコウというのはやはり誤同定のようで、未記載種であるとのこと。

このあたり勉強しておかないといけないなあ。難しくてさっぱり。


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2017/05/21 20時43分 (ベッコウマイマイ科)

ベッコウマイマイ Bekkochlamys perfragilis

奄美・沖縄諸島にのみ生息する異形のカタツムリ。殻径15mm以上もあり、小型なものが多いベッコウマイマイ類の中では別格の存在感がある。外套膜が伸びて殻を覆っているほか、軟体部が大きくて殻にこもることができず、更にはカタツムリらしからぬ驚くべき行動をもつ、色々と謎なヤツである。

今回は残念ながら一個体しか見つけることができなかったので、次回は本腰を入れて探しに行きたいところ。


(2017年5月4日撮影, 鹿児島県・奄美大島, OLYMPUS OM-D E-M1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro)


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